統合失調症

統合失調症とは

統合失調症はおよそ100人に1人弱が発症する、幻覚・妄想や感情の起伏がなくなるなどの症状が特徴的な疾患です。
また、
「コミュニケーションをとりながら家庭や社会で生活を営むことが難しくなる」
「自分自身では病気だと気づきにくい」
という特徴を併せ持っています。
統合失調症は何が原因で発症するのか、今のところ明らかになっていません。
脳の構造・働きの微妙な異常が原因だと考えられており、進学・就職・結婚など、身の回りの環境の大きな変化が発祥のきっかけとなることが多いです。

主な症状

統合失調症の症状は陽性症状と陰性症状に分けることができます。
陽性症状で典型的なのは「幻覚」と「妄想」です。

陽性症状:幻覚と妄想

「幻覚」とは実際にないものをあるように感じる事です。
最も多いのが幻聴で自分の悪口や命令が聞こえてきます。実際の声のように聞こえたり、頭の中で聞こえる事もあります。
しばしばその内容は自分に批判的です。その幻聴に対して笑ったり幻聴と対話すると、周囲からは突然笑ったり、独り言を言ったりするのが奇妙に思われます。
「妄想」とは明らかに誤った内容を信じていて、周囲が訂正しても受け入れられない状態の事です。
「周囲の人が協力して自分を監視している」「自分は世界にとって重要人物だ」など内容は様々ですが、
被害的妄想や誇大妄想が認められます。これらに加え「自分の考えが他人に読まれている」といった考えが離れません。
ですので、患者さんは非常に強く不安な気持ちになっています。

陰性症状

陰性症状とは「日常生活において今まで出来ていなかった事が出来なくなる」症状です。
会話や行動が障害され、話していてもピントがずれまとまりが無くなります。
自分の感情が乏しくなり、他人の感情について理解出来なくなるので、社交性が低下します。
仕事や生活面での意欲が無くなるので、怠けていると思われたり、身体の清潔を保てなくなるといった症状が表れます。
また、患者さん自身は自分の変化に気づきにくいので病識乏しく、しばしば治療の妨げになります。
主に以下のような症状があらわれます。

  • 悪口を言われていると思う事がある
  • 誰かに命令されていると思う事がある
  • 他人から危害を加えられていると感じる
  • 誰かに尾行されていると感じる
  • 監視・盗聴されていると感じる
  • 自分の考えが他人に読まれていると感じる


治療法

治療は薬物療法と心理社会療法の二つを組み合わせて行います。
薬物療法の中心は症状に合わせた抗精神病薬です。
それに加えて抗不安薬や抗うつ薬を使用し症状の改善を図ります。
「足がムズムズする」などの副作用があれば適宜薬を調整していきます。
再発しやすい疾患なので症状が安定したからといってすぐに薬を減量する事は難しく、内服が長期に渡ることが多いです。
心理社会療法は病気との付き合い方や生活の質を上げる訓練を行うものです。
精神療法や生活技能訓練、コミュニケーション訓練を行いながら生活機能の回復を行います。

治療時のエピソード

発症後約10年が経過されている慢性統合失調症の患者さん。 それほど気にならない程度ですが幻聴などの症状が残っており、副作用の眠気がつらいとご来院されました。
薬を徐々に減らし、精神療法による治療を開始。
数か月で眠気はなくなり、意欲面での改善がみられました。
現在は資格取得に向けて勉学に励んでいるそうです。